株価チャートが為替チャートと異なる点は、出来高を確認できることにあります。私はFXについてはチャート形から判断するテクニカル分析を使っていますが、株価チャートでテクニカル分析を行う場合には、チャート形に加えて出来高も判断材料にすることがあります。
出来高が増えるケースは上記の通りです。この中でテクニカル分析に応用できるのは「2.チャート上の重要ポイントに到達したとき」や「3.セリングクライマックス (セリクラ)」です。
「1.ニュースなど材料が発生したとき」については反射神経というか、極論を言うとインサイダー取引できる人間が有利なので、情報到達の遅い末端投資家にはどうしても不利に働きます。株価チャートへの応用も利きにくい。
ここでは「2.チャート上の重要ポイントに到達したとき」や「3.セリングクライマックス (セリクラ)」について紹介していきたいと思います。
テクニカル的な重要ポイントに到達したとき、出来高の急増によって底打ちサインが出ることがあります。
2017年10月、神戸製鋼所で生産しているアルミ製部材の品質データ改ざん問題が発覚する。品質データの改ざんが行われた製品は、トヨタ自動車や三菱重工業など約200社に納品されているのもであったために、神戸製鋼所の信用を失墜させる一大事件となりました。
株価も1,300円代から直近底値の700円台まで一気に下落、出来高の急増によって一旦の底打ちとなる。
テクニカル的には2012年からの下値支持線に守られる形となりましたが、チャート分析と出来高の急増から700円台で待っていた投資家が非常に多かったことが伺えます。(※一応私も待っていましたが、問題がどこまで発展するのか未知数だったので買うのを躊躇しました)
下落相場の最終局面では、売り尽くしによって出来高の急増が起こる。(通称セリクラ)
東京電力は2011年3月に発生した東日本大震災および福島第一原子力発電所の事故によりパニック売りが発生。下値の目処がない地獄売りの様相であったが、出来高急増によってセイリングクライマックスを迎える。(2011年6月頃に売りの第一ピーク)
本格的な底打ちを見せたのは2012年11月頃。ただし東京電力は今後30年以上に渡って廃炉作業や賠償問題を抱えていくことになるため、恐らく私が壮年期を送る間に株価が回復することはないと思われる。(私の寿命から換算するとゴミ株に終わる可能性が高いので手は出しません)