割安株(バリュー株)とは、その名の通り割安な株のことをいいます。株価は投資家の人気投票のようなものであり、本来の企業価値以上に株価が評価されることもある非常に曖昧な側面を持ちます。割安株投資とは、本来の企業価値に対して、市場が過小評価している株に投資することをいいます。(過小評価または注目されていない株)
割安株の特徴としては、その企業が持っている本来の企業価値に比べて市場の評価が低い銘柄、何らかの理由で企業価値が低く見積もられているような銘柄が該当します。
市場の評価とは、時価総額(株価×発行済株式総数)のことをいいます。
本来の企業価値については、金額で表すことのできる純資産(解散価値)と、曖昧で金額では表すことのできない事業価値を総じて「企業価値」とすることができます。
具体的な方法については後述します。(PBRを用いた手法)
割安株の探し方については、ファンダメンタル分析(企業分析)の視点からいくつかアプローチする手段があります。PERやPBRなどの株価指標を活用する方法です。
PERは株価の割安・割高判断に一般的に用いられている指標で、現在の株価が当期純利益に対してどのくらいの比率にあるのかを算出したものになります。業種ごとに収益性が異なるため、比較には業種別平均PERを用います。気になっている銘柄のPERと、その銘柄が属する業種別平均PERとの乖離を比較することで、相対的にその銘柄が割安なのか割高なのかを判断します。
業種 | 連結PER |
---|---|
建設業 | 11.64 |
食料品 | 27.02 |
医薬品 | 24.00 |
電気機器 | 21.05 |
銀行業 | 8.58 |
その企業が持っている純資産(解散価値)を直接計算し、市場での評価(時価総額)と比較することで割安・割高判断を行います。企業を「資産価値」という視点で直感的に分析することができるのが利点です。
詳しい内容については下記リンク先を参照してください。
株価が割安になる原因は、大きく分けて以下の2つに大別されます。
不景気によって株価が落ち込んでいる場合には、時間を置くことでいずれ株価回復を見込むことができます。(景気循環的な考え)
ところが経営が不安定など企業価値そのものが認められていないような企業の場合、経営不振によっていずれ倒産してしまうリスクや、企業買収(M&A)の標的にされてしまうリスクを孕んでいます。割安株投資は、まだ市場が注目していない安値の内から投資できるため、当たれば相応のリターンが見込めますが、「割安である理由」を正確に判断できる技量を持ち合わせていなければ非常に難しいというのが私の見解です。