ROAとは、総資本利益率のことです。(ROA:Return On Assetsの略)
貸借対照表にある総資本と総資産の金額は同じであるため、総資産利益率とも呼ばれています。
ROAは以下の計算式から算出されます。
ROA(%) = | 当期純利益 | × 100 |
総資本(期首・期末平均) |
ROAは、企業のお金(資本)がどれだけ効率的に使われたかを表す指標として用いられます。
一般にROAが高いほど、企業収益性が高いと判断されます。(後述)
ROAは会社四季報や証券会社で口座開設すると簡単に確認できますが、実際に手計算してみましょう。
ROAの総資本(総資産)には、厳密には期首・期末平均の平均資本を用いますが、ここでは直近の総資本を代用して計算します。2017年3月期の連結決算から、連結ROAを算出してみます。
ROA(%) = | 当期利益 | ×100 = | 114,940 | ×100 = | 2.6 (%) |
総資本 | 4,345,922 |
会社四季報にある連結ROA(2.6%)と計算結果が一致しました。今回の計算では直近の総資本を代用しているため、平均資本との差によっては、計算結果が一致しないこともあります。
ROAは1~2%程度が普通で、5%を超える場合には優良企業と判断されます。
ROA(%) = | 当期純利益 | ×100 |
総資本(期首・期末平均) |
計算式から分かるように、ROAを高くする方法には以下があります。
業績の良い会社・当期純利益が伸び続けている会社はROAが高く推移します。(優良企業)
総資本(総資産)を減らす方法としては、不要な資産を売却して株主に還元するなどの方法がります。(使っていない古い建物を売却する、固定資産を減らすなど)
ROA(総資本利益率)とROE(自己資本利益率)には、以下の関係式が成り立ちます。
ROA(%)= ROE(%) × 自己資本比率 |
もう少し詳しく見ていきましょう。
ROA(%) | = | ROE(%) × 自己資本比率 | ||
= | 当期純利益×100 | × | 自己資本 | |
自己資本 | 総資本 | |||
= | 当期純利益×100 | |||
総資本 |
ROAとROEの関係式からも分かるように、ROAはROEに自己資本比率を掛け合わせたものとなります。自己資本比率は企業の財務健全性を図る上で重要な指標であり、自己資本比率が低いと倒産リスクも高まります。ROAは、ROEだけでは不透明だった負債(他人資本)も考慮した計算値であることが分かります。