プロスペクト理論とは、人間がお金に関するやり取りを行う際、本能的に取りやすいとされる行動についてまとめた研究成果のことをいいます。
要するに人間は、お金の掛かった場面においてある特定の行動パターンを取りやすいとされる。
以下の2択ではどうちらを選ぶ人が多いか。
この問いについては、「1.」を選択する人が多いという統計結果が出ています。これは利益を伸ばさずに、早々に確定してしまう利小の行動です。
以下の2択ではどうちらを選ぶ人が多いか。
この問いについては、「2.」を選択する人が多いという統計結果が出ています。これは確実に損切りせずに、より大きな博打に賭ける損大の行動です。
プロスペクト理論からも分かるように、人間の行動パターンは損大利小であることが分かります。
ちょっとでも利益が出たらすぐに利益確定したくなるのに、損を抱えているときには損失確定できずに、ずるずると時間を過ごしてしまう。
こんな人が多い理由は、プロスペクト理論にあるのかもしれませんね。
凡例の期待値はどちらを選んでも同じ100%なので、選択によって資産が増えるわけではありません。ただし投資の世界では、損少利大の行動を取ることが望ましいとされます。(これについてはまた別の機会に)
確実に利益を取る行動に関しては意見が分かれるところですが、博打を打ってでも損をしたくないという心理は、時として破滅を呼びます。
すでに投資経験者の中には、こんな感情に支配された経験があるかもしれません。
世の中には株やFXなどの投資がありますが、多くの人は負けている側に居ます。
投資で勝てない理由には、基本がゼロサムゲームであること、予想して当てることが非常に難しいこと、などが挙げられますが、人間の本能的な行動パターンにも問題がありそうですね。
「株やFXで勝てない人の多くは、無意識のうちに不利益となる行動パターンを取っている」
ということです。
行動心理的には、人間は投資に向いていないことが分かります。
(本能的に刷り込まれている)
私の場合、利益に関しては確実に受け取れる側を選ぶ傾向にありますが、損失に関してはさっさと切るようにしています。これは元々そういった行動が取れていたのではなく、長年相場経験を積む中で矯正させられたものです。
私自身も、損切りをしたくないから延命したり、ナンピンを繰り返していつの間にか損失が莫大になって退場、というような経験を過去にしてきています。そういった苦い経験を経て今があります。
私が相場に生き残っている理由は、行動的な資質があったというよりも、相場にボッコボコにされながらも地道に矯正してきた経験があるからです。もちろん、勝てる行動を取る方法も知っていますが、同様に、損失に関しても負けない方法を学んできています。
投資は経験と総合力です。
プロスペクト理論はもちろん、矯正できます。