スプレッドとは、売値(Bid)と買値(Ask)の差のことです。
上はドル円レートですが、ドル円を買いたい場合には買値103.203円でポジションを保有することになります。そのまますぐに手放す場合、売値103.200円を参照にポジションクローズします。
この場合、売値と買値の差に相当する0.3銭をプレイヤー(相場参加者)が負担することになります。
買ったポジションをレートが動く前にすぐに手放しても、売値と買値に差があるためにプレイヤーは自動的にスプレッド分の金額を負担することになるのです。
抜け道はないので、スプレッドはプレイヤーが必ず負担しなければならない取引コストといえます。
スプレッドはFX会社が独自に設定することができるため、狭いスプレッド幅を提供してくれるFX会社の方がプレイヤーにとっては有利です。ひと昔前までは、FX取引に掛かるコストには「取引手数料」と「スプレッド」がありましたが、最近のFX会社は取引手数料を無料にする会社が増えています。
実質的にスプレッド分がFX会社の利益に直結する部分ということになります。
そのため、顧客目線に立って低スプレッド配信を行うFX会社は、優良FXである場合が多いです。
FXにはドル円、ユーロ円、ポンド円など通貨ペアが様々ありますが、スプレッドは通貨ペアによってそれぞれ異なります。
ちなみにスプレッド0.3銭というのは、ドル円やユーロ円など日本円との通貨ペアで表示される単位です。ユーロドル(EUR/USD)など日本円ではない通貨ペア同士では、pips(ピップス)という単位を用います。
スプレッド配信の注意事項にはよく「原則固定」という言葉が添えられていますが、これは平時におけるスプレッド配信のことです。「平時」とは、為替レートの変動が比較的緩やかな通常の相場状態です。(平常運転)
為替相場は生き物なので、経済指標や突発的ニュースに相場が反応して、値動きの急変動を起こすことがあります。
こういった乱高下相場では、FX会社が安定した為替レートを配信することが難しくなるため、スプレッドが拡大する傾向にあります。(必ずスプレッドが拡大する訳ではないが、配信能力の低いFX会社ではその傾向が強くなる)
そのため、単に平時のスプレッドが狭いだけでなく、原則固定がどれだけ守られているのかもFX会社を選ぶポイントのひとつになります。