FXチャートの分析ツールに「テクニカル指標」があります。
テクニカル指標は具体的に何をやっている分析ツールかというと、為替チャートを構成する時間軸および価格軸(レート)を様々な数式に当てはめて、そこから売買サインなどを導き出そうとするツールです。
単純移動平均線(SMA)
テクニカル指標には様々な種類がありますが、為替チャートに表示できる代表的なテクニカル指標を簡単に紹介します。
トレンド系 | 単純移動平均性(SMA)、指数平滑移動平均線(EMA)、ボリンジャーバンド、一目均衡表(※海外ではマイナー)、パラボリック、エンベロープ、etc. |
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オシレータ系 | MACD(マックディ)、ストキャスティクス、RSI(相対力指数)、etc. |
ちなみにテクニカル指標は「トレンド系テクニカル」と「オシレータ系テクニカル」に大別されます。
トレンド系テクニカルはその名の通り、主に相場の方向性(トレンド)を推測するのに用います。一方オシレータ系テクニカルは、買われ過ぎ・売られ過ぎなど、主に局地的な場面における売買の偏りを示す目的などに用いられます。
日本で考案されたテクニカル指標で、日本国内で使用しているユーザが比較的多い。一方、海外ではメジャーなテクニカル指標ではないため、全体ユーザ数の面で考えても一目均衡表が効くかどうかには疑問が残る。ただ見た目がかっこいいので、FX初心者は一目均衡表に一種の万能性のようなものを感じてしまうかもしれない。FX取引している気分になりたい人にはオススメ。(毒)
「雲」の部分が抵抗帯。トレンド相場では雲の抵抗帯に沿って売買を行い、トレンド転換局面では雲抜けが起こる。(転換サイン)
RSI(相対力指数)。オシレータが70%以上で買われ過ぎ、30%以下で売られ過ぎというように、指標そのものがかなりアバウト。パラメータをいじれば局地的に使えるかもしれないが、基本的にFXは買われるときはとことん買われ、売られるときはとことん売り叩かれる性質があるので、こういったアバウトなテクニカル指標には頼らない方がいい。
またあくまで局地的な買われ過ぎ・売られ過ぎを示しているだけなので、オシレータが70%を振り切った状態が続いても、時間が経てばその価格帯(レート)に馴染んでしまうため、価格が下がらずとも緩やかに50%に向かう力が働く。
各テクニカル指標にはパラメータ(設定値)が存在します。
例えば単純移動平均線の場合、どの期間から平均線を算出するかをパラメータとして設定します。
日足でパラメータ期間を75に設定した場合、過去75日分の平均価格(レート)を元に平均線が描写されます。SMA(75)。
同様にSMA(25)は過去25日分の平均レート、SMA(10)は過去10日分の平均レートを元に描写されます。
相場がトレンドに沿って推移する場合、移動平均線も緩やかに上昇線または下降線を描写します。トレンド転換が起こる場合、短期SMAが長期SMAをクロスする形で売買サインが出ます。
テクニカル指標は、特に理系出身者や、為替相場に一定の法則性を見出したいと願う人が好んで用いる傾向にありますが、テクニカル指標自体は時間軸と価格軸の2成分を適当な数式にブチ込んでいるに過ぎず、また相場参加者が皆同じテクニカル指標を用いている訳でもないため、私個人としては、テクニカル指標には懐疑的立場です。(ちなみに私も理系出身者)
私は為替相場の基本的性質(つまり相場を動かしている側がどういうロジックによって動かしているのか)を熟知していますが、そのロジックはどう考えてもテクニカル指標との互換性はなく、また私自身はテクニカル指標を全く表示しなくとも長年勝ち続けることができています。
私は相場の絶対神ではないので名言できませんが、テクニカル指標というものにはそういった側面もあることを知っておいてください。時間を掛けて研究するのも良いですが、あまり熱心になり過ぎて大切なことを見落としたり、人生の貴重な時間を費やしてしまわないように。